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エッセンシャル・クリティカル・インフラストラクチャ

Study:大阪関西国際芸術祭

2023.1/28 Sat. - 2/13 Mon.

· EVENT,ARCHIVE
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2023年1月28日から2月13日に開催される「Study:大阪関西国際芸術祭」にホテル「THE BOLY OSAKA」および「KITAHAMA N Gallery」が展示会場として参加します。

キュレーター:四方幸子
アーティスト:石毛健太、やんツー
会期:2023年1月28日(土)〜2月13日(月)
開場時間:11:00〜19:00 ※最終入場は閉館30分前

協賛:THE BOLY OSAKA
協力:rin art association、間宮尊、大沢隆之、荻原楽太郎、原淳之助、小西由悟

 

トークショー「物流から社会を考える」
2023年2月13日(月)16:00〜18:00(開場:15:30)
出演:玉木俊明(京都産業大学教授/経済史)、石毛健太、やんツー(本展アーティスト)
モデレーター:四方幸子(本展キュレーター)
会場:THE BOLY OSAKA B1F
入場無料、先着順(20名)
*トーク開催中も、会場はご覧いただけます。
都市や環境における人の移動や社会とロジスティクスの関係に目を向けてきた石毛健太とやんツーが、THE BOLY OSAKA全館で展開する「エッセンシャル・クリティカル・インフラストラクチャ」展。アーティストから本展について語っていただくと同時に、物流の歴史に広い見識をお持ちの玉木俊明氏をゲストに物流というテーマを掘り下げます。

 

2020年以降、新型コロナ感染症は世界を大きく変えた。人々は移動を控えオンラインが活況を呈した反面、物資の移動が飛躍的に増加、エッセンシャルワーカーとともにエッセンシャルなインフラストラクチャである道路や物流システム、倉庫などへの依存が露わになった。美術館や芸術祭でもアーティストの移動が困難となり、作品のみ搬送するケースもあった。

都市や環境における人の移動や資本主義社会とロジスティクスの関係に目を向けてきた石毛健太とやんツーは、近年物流に関わる作品をそれぞれ発表してきた。本展では、その二人が北浜のTHE BOLY OSAKA(以下 :BOLY)という土佐堀川に面したブティックホテル全館で、物流に正面から向き合う。土佐堀川は水都大阪の重要な運河(インフラ)であり、江戸時代から水運が多くの人や物資を運んできた。ホテルは人が移動の途中で滞在する場で、いわば人という物流の停泊地である。

10年間の営業を想定し、築約60年の建物を改装して生まれたBOLYは、オープンまもなくコロナ禍に直撃され、観光客が戻りつつある現在がちょうど折り返し地点にあたる。そのホテルのB1Fから1-6Fへと至る非常階段、そして屋上が「エッセンシャル・クリティカル・インフラストラクチャ」の舞台である。タイトルに沿って、彼らは関東を拠点にする自らと作品が大阪に移動し戻ることを「物流」と見なし、作品の運搬だけでなく、今回の搬送プロセスを記録した動画を披露する。加えて石毛は、ロジスティクスにまつわる平面やマクロな物の動きの中で制作された作品、雑草の繁殖と物流を扱う作品を出展する。やんツーは、「作品に海をみせる」(2022)を含む、同作品の発展形としての平面作品を展示する。

展示の流れは、B1Fのスペース(両作家の作品)、階段部分(両作家の動画+BOLYが常設する作品)、屋上(石毛のインスタレーション)となっている。地下空間から非常階段をめぐった後にたどり着く屋上からの見晴らし—土佐堀川や対岸の大阪の近代建築群など—は、普段視えないインフラから可視的なインフラへと転換する体験となる。それは同時にBOLYという旧い建物の裏と表のインフラ(改装部分)のコントラストを感じ、その境界領域を目撃することでもあるだろう。

本展ではまた「水」の流れやインフラが背後のテーマとなっている。土佐堀の水と同じレベルにあるB1F(実際土佐堀に近接している)では微かに浸み出し、下水管から水音が響いている。そして屋上からは土佐堀の水面を見下ろすことになる。物流としての作品、人、そして水。下から上へ、表から裏へ、過去から未来へ。「エッセンシャル・クリティカル・インフラストラクチャ」は、様々な物流が交差する大阪、北浜、BOLYの今を寡黙かつ饒舌に切り取っている。

 

*以下、https://www.osaka-kansai.art/artist/より転載。

Profile

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石毛健太 ISHIGE Kenta

美術家、エキシビジョンメーカー、他副業多数。参加するプロジェクトにUrban Research Group、SCAN THE WORLD、インストールメンツがある。主な個展に、『アイオーン』(秋田/BIYONG POINT/2020)、『ニューグラウンド』(東京/The5thFloor/2021)。主な参加展覧会に『生きられた庭』(京都/京都府立植物園/2019)、『水の波紋展2021』(東京/2021)、『ストレンジャーによろしく』(金沢/2021)、『WHITEHOTEL』(東京/WHITEHOUSE/2022)、『YAUTEN』(東京/2022)。主なキュレーションに、『変容する周辺 近郊、団地』 URG(東京/2018)、『working/editing 制作と編集』(東京/アキバタマビ21/2020)、『2020 𝄆 Wardian case 𝄇』(東京/BLOCK HOUSE/2020)、『And yet we continue to breathe.』 (東京/ANBTokyo/2020)。

 

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やんツー yang02

1984年、神奈川県生まれ。美術家。セグウェイが作品鑑賞する空間や、機械学習システムを用いたドローイングマシンなど、今日的なテクノロジーが組み込まれた既製品、あるいは既存の情報システムに介入し、転用/誤用する形で組み合わせ、インスタレーションを構築する。先端テクノロジーが持ちうる公共性、政治性、又は人間との関係性を考察し、作品をもって批評する。菅野創との共同作品が文化庁メディア芸術祭アート部門にて第15回で新人賞(2012)、同じく第21回で優秀賞(2018)を受賞。

近年の主な展覧会に、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京、2022)「遠い誰か、ことのありか」(SCARTS、札幌、2021)、「DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2018)、「Vanishing Mesh」(山口情報芸術センター[YCAM]、2017)、あいちトリエンナーレ2016(愛知県美術館)などがある。また、contact Gonzoとのパフォーマンス作品や、和田ながら演出による演劇作品「擬娩」での舞台美術など、異分野とのコラボレーションも多数。

 

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四方幸子 SHIKATA Yukiko

キュレーター/批評家。美術評論家連盟(AICA Japan) 会長。「対話と創造の森」アーティスティックディレクター。多摩美術大学・東京造形大学客員教授、武蔵野美術大学・情報科学芸術大学院大学(IAMAS)・國學院大学大学院非常勤講師。「情報フロー」というアプローチから諸領域を横断する活動を展開。1990年代よりキヤノン・アートラボ(1990-2001)、森美術館(2002-04)、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC](2004-10)と並行し、インディペンデントで先進的な展覧会やプロジェクトを多く実現。近年の仕事に札幌国際芸術祭2014(アソシエイトキュレーター)、茨城県北芸術祭2016(キュレーター)など。

2020年の仕事に美術評論家連盟2020シンポジウム(実行委員長)、MMFS2020(ディレクター)、「ForkingPiraGene」(共同キュレーター、C-Lab台北)、2021年にフォーラム「想像力としての<資本>」(企画&モデレーション、京都府)、「EIR(エナジー・イン・ルーラル)」(共同キュレーター、国際芸術センター青森+Liminaria、継続中)、フォーラム「精神としてのエネルギー|石・水・森・人」(企画&モデレーション、一社ダイアローグプレイス)など。国内外の審査員を歴任。共著多数。2021年よりHILLS LIFE(Web)に「Ecosophic Future」を連載中。

 

 

※以下、https://www.osaka-kansai.art/about/より転載。

ABOUT

アート×ヒト×社会の関係をStudyする芸術祭

2023年1月28日から2月13日。北緯 34°41′11″東経 135°31′12″ ― 大阪にアートという形をとった無数の疑問符が出現します。それは、私たちが当然としてきたあらゆる前提に(時には、考えること・口にすることを避けて来たテーマに)問いを投げかけるものです。「アートには何が可能か?」「何が不可能か?」 ― 疑問。思考。研究。調査。発見。驚嘆。発信。共有。

2025年の万博の年に誕生する大阪関西国際芸術祭の、プレイベントとなる集合知型アート体験。あなたも参加してください。そう。あなたが今、このメッセージを読んでいること。それ自体が、実は、巨大な作品の一部と言えるかもしれません。

Study : 大阪関西国際芸術祭 2023

2025年に世界最大級のアートフェスティバル「大阪関西国際芸術祭(仮)」の開催を目指し、「アートとヒト」「アートと社会」の関係性や、アートの可能性を検証し学ぶ(Studyする)ためのプレイベントです。

第2回となる今回は、関西に縁あるアーティストの展覧会をはじめ、国内外のギャラリーが出展し誰もが作品購入を楽しめるアートフェア、そしてアートの可能性を引き出すべくテーマ性を持ったカンファレンスの実施、さらにはレストランを会場に、期間限定で食とアートのコラボレーションを実現するアートダイニングなど、芸術祭会期の17日間、アートを『みる』『買う』『食す』『学ぶ』、多彩なプログラムを実施します。

組織体制

総合プロデューサー:鈴木大輔(ARTLOGUE CEO)
事務局:湖山さきら(ARTLOGUE)、芝田江梨(ARTLOGUE)、寺島千絵、宮崎淳子
展覧会制作:淺井忠博、勝冶真美、芝田江梨(ARTLOGUE)、水野慎子
アートフェア制作:淺井忠博、原田 雄
広報:加藤あつこ、菊池弘美
スタッフマネジメント:宮崎淳子
テクニカルディレクター:小西由悟(たま製作所)
展示・什器設計:小西由悟(たま製作所)
エグゼクティブ クリエイティブディレクター:弦間一雄(大阪経済大学人間科学部教授)
クリエイティブディレクター・アートディレクター:後 智仁(WHITE DESIGN)
コピーライター:斉藤賢司(ホンシツ)
デザイナー:與世原邦治(MILK)、有尾ヒナタ(MILK)、 デュウェル智紗(SPARK DSGN)
Webサイトデザイン:菅原優斗(PENGUIN WORKS)
事務局アシスタント:下村遥、春木美海、三原有生、木綿要介
インターン:小川萌花、河村いずみ、韓星、ラワンチャイクン茉莉
特別協力:藤村滋弘

主催

株式会社アートローグ

助成

アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート、アーツサポート関⻄、⼤阪市芸術活動振興事業助成⾦、TEAM EXPO 2025、令和4年度⽇本博イノベーション型プロジェクト 補助対象事業(独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会/⽂化庁)、ほか

協賛

一般財団法人アウラ現代藝術振興財団、株式会社セイビ堂、株式会社NPCコーポレーション、グランフロント大阪、THE BOLY OSAKA、辰野株式会社、東京建物株式会社、株式会社新澤醸造店、ぴあ株式会社、ほか

協力

一般社団法人グランフロント大阪TMO、Emohaus Inc.、大阪府立中之島図書館 指定管理者ShoPro・長谷工・TRC共同事業体、クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック、飛田新地料理組合、ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター、ポーランド広報文化センター、ほか

メディアパートナー

FM802、FM COCOLO、ONBEAT、GIZMODO・JAPAN、タイムアウト東京、Peatix Japan、ほか

後援

日本ポーランド協会関西センター、フォーラム・ポーランド、ほか

連携事業

 

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